ラミネートとは英語で"貼り合わせる"と言う意味です。透明な熱接着フィルムで紙の両面をカバーコーティングするのを"両面パウチ"とか"ラミネックス"とか言います。
熱を使わない低温状態の粘着剤で、透明フィルムなどを紙などに貼る事を"コールドラミネート"もしくは"常温粘着ラミネート"と言います。本の表紙や化粧箱などを片面だけ丈夫に美しく光沢な有るフィルムコーティングするのは"光沢加工"、"PP加工"などと言います。
デジタル印刷などで使用するトナーは、コールドラミネートでは殆ど問題有りませんが、両面ホットパウチでは一部のトナーが接着が良くない場合が有ります。 100%のベタを3回重ねた様なベタ300%、オイル系のものなどで、折り目部分が浮いて来たりします。 また、熱で沸いてきたりします。
布のラミネートは問題有りませんが、薄手の38ミクロンでラミネートしても固くなってしまうので、粘着系の塩ビなどの方が良いかも知れません。布製のバックなどを作る場合は塩ビをカレンダーラミと言う方法で接着した物を使います。
金属は一部の物は熱ラミで非常に協力に接着します。銅箔、ステンレス等です。 他の物は状態により付く場合と付かない場合が有ります。金属を余熱すると良く付く場合が有ります。
"PP加工・光沢加工"や"コールドオーバーレイ"ラミでは片面でラミすることが多いです。ですから印刷物に"トンボ"の付いた"刷り本"状態で、紙の大きさより小さなラミネートフィルムでラミネートし、断裁時の紙の"ハリ"と"アテ"の為に紙のフチを使います。
両面パウチで片面をラミネートしたい場合、パック式機械でラミする場合は絶対にフィルムを先に切ったり、ハガして1枚にしたりしないで下さい。ラミネーターの中で絡んでしまいます。どうしても片面をラミしたい場合は同じ大きさの紙を2枚背中合わせにして普通にラミし、後からミミを切り落とせば表だけ2枚片面ラミが出来ます。
片面ラミの場合どうしてもフィルム側に反る(カールする)傾向が出ます。ロール式ラミネーターの一部機種にはカール防止装置が付いています。
ラミネートフィルムは両面パウチの場合PET(ポリエステルフィルム)をベースフィルムとして使用しています。 PETはマイカコンデンサ(デユポン社のPET商標)にも使われ絶縁特性が優れている事で知られています。銅箔などにラミネートして、電子回路基盤の電磁波漏洩対策など、工業用の電気部品としても使われる事があります。
ホワイトボードなどには特に表面硬度の固いPET材を使ったラミネートフィルムが適していますが、最近はそう言う特殊素材を在庫しているところが少なくなっています。 特殊な素材の新たな加工は10,000u以上の大きな単位でしか生産できません。
両面パウチで使用するPETにも、有る程度紫外線吸収作用が有りますがそれ程協力では有りません。コールドラミネートでは、屋外看板やバスの外装に貼り付けたりする事もあって、強力な紫外線カット性能が有るタイプも有ります。
静電気を防止するタイプのラミネートフィルムも別注で用意できます。
ラミネートは加工処理後、紙とプラスチックフィルムが一体になっているため、マテリアル再生リサイクルが難しいと思われて来ました。 近年では関連業界団体でマテリアル再生リサイクルを実現しました。当社経由で紹介する事が出来ます。
それ以外は焼却処理することになります。ラミネートフィルムそのものに毒性はありませんし、燃焼ガスも有害ではありません。 ダイオキシンにつきましては、塩化ビニールの低温燃焼による原因説が有力なので、ラミネートフィルムは問題無いと言う見方です。